錦織圭は「まるでマイケル・チャン」 松岡修造も絶賛する強さの秘密とは

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   テニスの全米オープンで、錦織圭選手(24)が世界4大大会では日本人として81年ぶりに4強入りし、今後への期待が高まっている。松岡修造さんも「凄いことが起こった」と絶賛したその強さとは――。

   「勝てるとは最後まで思っていなかった」。錦織圭選手は、2014年9月3日の男子シングルス準々決勝後にインタビューでこう漏らした。

最後まであきらめないメンタルの強さ

   相手は、4大大会の1つ、全豪オープンで1月に優勝したスタニスラス・ワウリンカ選手(スイス)だ。錦織選手とワウリンカ選手は、それぞれ世界ランク11位と4位、大会でも第10シードと第3シードの差があった。過去に2敗しており、勝ったこともない。

   しかし、3-6、7―6、7-6、6-7とスコアをタイにすると、最後は驚異の粘りを見せた。最終セットは6-4で取り、4時間超の死闘を制した。ワウリンカ選手は、これまで負けていなかったことをインタビューで聞かれ、「それは2年前の話。彼は強くなっている」と脱帽したほどだ。錦織選手は、最後まで苦しんだものの、その成長ぶりは如実に表れていた。

   錦織選手が快進撃を始めたのは、13年12月に台湾系アメリカ人のマイケル・チャンさん(42)がコーチに就いてからだ。チャンさんは、4大大会の最年少となる17歳で全仏オープンに優勝したことで知られる。

   チャンさんの指導の下、14年に入ると、錦織選手は、ツアーで2勝して、5月には世界ランキングで9位にまで入った。トップ10入りは、日本男子で初めてだ。8月に右足の親指を手術して、当初は全米オープン出場すら危ぶまれていたが、出場後は、尻上がりに調子を上げ、今回の快挙につなげた。

   4大大会でベスト8の成績を残した松岡修造さんは、ブログで、「メンタルはまるでマイケル・チャン」と錦織選手を讃えた。チャンさんは、小柄な体ながら、最後まであきらめない粘り強さが持ち味だった。

準決勝「どれだけ自分が出せるかがカギ」

   日本テニス協会広報委員長の八田修孝さんも、錦織圭選手の快進撃は、マイケル・チャンさんの指導の力が大きいとみる。

「チャンさんは、サーブが強い選手ならどうするかなど、いろんな局面で何をすべきかを錦織選手に考えさせていました。錦織選手も、『覚えきれないくらい言う』と驚いていたほどです。こうしてメンタルを鍛え、全米オープンでも、『病気になったわけではないので、ガンガン行くぞ』とハッパをかけていましたね。テニスは、1人っきりで戦うものですので、体力や技術以上にメンタルが強くなければいけませんから」

   つまり、あきらめずにいろんな場面でも対応を考えられるメンタル力が鍛えられたからこその結果だったというわけだ。米スポーツ専門テレビ「ESPN」は、そんな錦織選手について、「マラソンマン」と名付けていた。

   錦織選手は、2014年9月6日の準決勝で、英ウィンブルドンで7月に優勝したノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)と戦う。世界ランク1位で、大会でも第1シードだ。

   ジョコビッチ選手には11年に勝ったこともある錦織選手だが、八田さんは、それはあまり参考にならないと言う。

「あのときのジョコビッチ選手は、ベストコンディションではありませんでした。4大大会にピークになるように整えているはずで、準々決勝のマレー戦を見ても、コンディションはよさそうです。対して、錦織選手は、4時間超の試合を2回続けて戦っていますから、体力的にはいっぱいいっぱいかもしれません」

   準決勝については、「もう失うものがない気持ちで、錦織選手にはトライしてほしい。どれだけ自分が出せるか、メンタルの強さがあれば結果がついてくるでしょう」と話している。

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