準決勝「どれだけ自分が出せるかがカギ」
日本テニス協会広報委員長の八田修孝さんも、錦織圭選手の快進撃は、マイケル・チャンさんの指導の力が大きいとみる。
「チャンさんは、サーブが強い選手ならどうするかなど、いろんな局面で何をすべきかを錦織選手に考えさせていました。錦織選手も、『覚えきれないくらい言う』と驚いていたほどです。こうしてメンタルを鍛え、全米オープンでも、『病気になったわけではないので、ガンガン行くぞ』とハッパをかけていましたね。テニスは、1人っきりで戦うものですので、体力や技術以上にメンタルが強くなければいけませんから」
つまり、あきらめずにいろんな場面でも対応を考えられるメンタル力が鍛えられたからこその結果だったというわけだ。米スポーツ専門テレビ「ESPN」は、そんな錦織選手について、「マラソンマン」と名付けていた。
錦織選手は、2014年9月6日の準決勝で、英ウィンブルドンで7月に優勝したノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)と戦う。世界ランク1位で、大会でも第1シードだ。
ジョコビッチ選手には11年に勝ったこともある錦織選手だが、八田さんは、それはあまり参考にならないと言う。
「あのときのジョコビッチ選手は、ベストコンディションではありませんでした。4大大会にピークになるように整えているはずで、準々決勝のマレー戦を見ても、コンディションはよさそうです。対して、錦織選手は、4時間超の試合を2回続けて戦っていますから、体力的にはいっぱいいっぱいかもしれません」
準決勝については、「もう失うものがない気持ちで、錦織選手にはトライしてほしい。どれだけ自分が出せるか、メンタルの強さがあれば結果がついてくるでしょう」と話している。