初の議長国を務めるAPECが控える
新華社通信は同日発表された安倍新内閣の顔ぶれについて、「右翼政治家を重用した」と報じた。稲田朋美政調会長について、安倍首相と歴史認識が「高度に一致している」として、靖国神社の参拝や南京大虐殺の否定をしていると紹介。新内閣は右傾化していると論評した。
一方、外務省の秦剛報道官は記者会見で「まだ閣僚名簿を見ていないが」と断った上で、「日本の国内問題だから論評はしない。しかし、中日関係の改善と発展を促進することを望む」と発言した。ここでも中国側が関係改善に含みを持たせた形だ。
日中接近ムードはすでに高まっている。7月に福田康夫元首相が訪中し、習氏と会談。8月にミャンマーで開かれたASEAN関連会合では、岸田文雄氏と王毅氏の両外相の会談が両政権の発足以来、初めて実現した。経済同友会の代表団の訪中も9月8日から予定されている。
11月には北京でアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催される。初めて議長国を務める中国が安倍首相をどう受け入れるのか注目が集まっている。習氏が見せた軟化姿勢は、関係改善の地ならしの一環と言えそうだ。