天声人語・前筆者「『この内容では掲載できません』の理由がますます分からない」
9月4日朝になって紙面のコラムを読んだ記者からも、「不掲載」を支持する声は皆無だ。
07年から13年まで天声人語の執筆を担当した冨永格(ただし)特別編集委員は、
「厳しいけれど、いつもの『池上節』の範囲内だと思います。こういうことを書いていただくのがこのコラムの狙い、かつ人気の理由でしょう。『この内容では掲載できません』の理由がますます分からない」
と、コラムの掲載は当然だとの見方を示した。石合力・国際報道部長も、
「見識ある批判に対して、謙虚に耳を傾けたいと思います」とツイートした。
今回の一連のツイートは、最初は末端記者クラスから始まったが、一気に中堅、幹部級まで広がったのが特徴だ。
「もし本当なら言論機関の自殺行為だ。朝日新聞社の対応に私は個人として賛同しない。少なからぬ同僚記者たちもそう思っている」(谷津憲郎・社会部遊軍長)
「北京出張で体調を壊し、帰宅すると冷蔵庫が『自然死』していて中は腐臭が漂い、池上彰さんのコラムの問題で会社の姿勢に腹が立って眠れず」(吉岡桂子・編集委員)
「掲載した上で、異論反論があるなら、紙面上で堂々と意見をぶつけ合えばいい。言葉には言葉で、それこそ読者は読みたいはず。いまからでも遅くない」(真鍋弘樹・ニューヨーク支局長)