「アンドロイド寄り」の改良でファンの反応どうなる
もともとiPhoneの画面サイズは3.5インチだった。だが2012年9月発売の「iPhone 5」で4インチに拡大。今回、最大5.5インチとなれば見栄えや使用感が大きく変わるだろう。木暮氏は、「初期の3.5インチが最も手になじんでいました。片手で操作できる絶妙なサイズだったと思います。4インチになって少々大きいなと感じただけに、さらに大型化した場合にiPhoneファンが好印象を持つかどうか、疑問です」と語る。服のポケットに入れて気軽に持ち歩けなくなる不安も示した。
モバイル決済機能の搭載も、広くうわさされている。近距離無線通信(NFC)チップを組み込み、クレジットカード会社と提携して、買い物した際に店頭の読み取り端末にiPhoneをかざして支払いを済ませる仕組みを整えるという予測だ。機能そのものは、「『おさいふケータイ』が発達していた日本では真新しいものではなく、むしろアンドロイド陣営と比べて出遅れた感もある」(木暮氏)。ただし、世界的にスマホでの決済が普及してきたとアップルが判断したからこそ、このタイミングで導入を決めたとも考えられるようだ。
もともとiPhoneは「高機能合戦」に勝ち抜いてきたスマホではなく、端末そのものの魅力が世界中のファンをとりこにしてきたと木暮氏は話す。それだけに「アンドロイド寄り」の改良が頻発した場合、不満を感じて離れていく長年の利用者が出てこないとも限らない。逆にiPhoneの大画面化で、選択肢が増えたアンドロイドユーザーを取り込める可能性もある。ここに来て「5.5インチ版は発売見送り」の報道も飛び出した。公式情報がゼロの状況で、事態がどう転ぶか不透明だが、「ジョブズ後」3年目のアップルのiPhone戦略は吉と出るか、それとも凶となるのか。