タイムスリップ写真の会がゆうべ(8月29日)、平・一町目の坂本紙店2階で開かれた(=写真)。いわき芸術文化交流館アリオスが主催した。7月30日(アリオスで開催)に続いて2回目だという。知り合いのスタッフから連絡があり、夫婦で出かけた。
いわき駅前再開発ビル「ラトブ」ができる前の、銀座通り・三田小路商店会のセールの写真などが紹介された。
私は、大正~昭和時代、平・三町目1番地にあった西洋料理店「乃木バー」関連の写真を持参した。1枚は、『目で見るいわきの100年――写真が語る激動のふるさと』(郷土出版社、1996年刊)に掲載された「乃木バー」の外観写真の複写。そして、昭和3年創業のバス会社「芹沢自動車」から「乃木バー」に贈られた横断幕と、店で使われていたナイフやフォーク、鉄鍋などの写真を見てもらった。
横断幕とナイフ・フォークなどは、内郷にある元経営者宅から出てきた。3・11からちょうど1カ月後の4月11日、強烈な余震に襲われ、庭に亀裂が走った。レンガ造りの蔵にもひびが入った。1年後、スペインから里帰り中の知人(元経営者の孫)の連絡を受け、3日ほどダンシャリの手伝いに通った。横断幕は、今は暮らしの伝承郷に保管されている。
四倉町商店会連合会・四倉町商工会による「四倉の歴史デジタル映像化事業(四倉アーカイブズ)」も紹介された。編集作業に携わった知人が経緯を解説した。
それによると、昨年7月、同商工会倉庫から段ボール箱に入った8ミリフィルムなどが発見された。昭和30年代の四倉のイベント、街並みなどを記録したもので、それらを地元に住む知人が調査を兼ねてデジタル化した。写真の会では、プロモーション映像が流された。水産業の町の、往時のにぎわいが伝わってきた。
3・11前から、身近な通りや街の景観は変わりつつあった。3・11後は、それに拍車がかかっている。昔を今に、今を未来に残すアーカイブズ事業がますます重要になっている。知人たちの取り組みを知る、いい一夜になった。
(タカじい)
タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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