単純パスワードを避け、2段階認証を活用する
これほど大勢の有名人のプライベート画像、しかも裸の写真が大量に漏れたのは穏やかでない。過去には2008年に香港で、男性タレントが所持していた、交際歴のある女優や歌手など複数の女性の画像が漏えいしたことがあった。なかにはわいせつなものもあり、当時現地は蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。
このケースは、男性タレントが自分のパソコンを修理に出した際に修理業者がデータを盗み出したのが原因とみられている。一方今回は、今や必需品と言えるスマホの仕組みが狙われた。一説には被害者が100人前後とも言われているが、有名人ならずともスマホの利用者なら誰もが標的になりうる。
ただし、危機を未然に防ぐ方法はある。最も基本的なのは、生年月日や「1234」といった数字の順列のような単純なパスワードを避ける。また「2段階認証」の活用も望ましい。アップルの場合、新しい機器からアクセスすると、本人確認のためにパスワード入力後に4ケタの数字が返信されてくる。これを打ち込んで晴れて完了というわけだ。この仕組みを使えば、たとえ機械的に無差別入力したパスワードがたまたま合致したとしても、4ケタの数字が送られてくる先はスマホを持っている持ち主だ。つまり、パスワードを知っているだけでは侵入できない。
パスワード変更や認証の設定自体は複雑ではない。ただつい「面倒くさい」と単純化しがちだ。セキュリティー意識を少し高めただけで、極めてプライベートな情報が漏れるのを防ぐのに大いに役立つだろう。もっとも、いかに「自撮り」が流行しているからといって、自分の裸の画像を撮りためて無防備にスマホやサーバーに保存しておく行為はいささか考えものだが……。