地方都市の百貨店「ふたつはいらない」 和歌山市は近鉄、熊本市は鶴屋だけと相次ぎ閉店

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少子高齢化に、消費増税の影響「読み違い」で売り上げ不振

   近鉄百貨店は2014年2月、日本一高いビル「あべのハルカス」に入る、日本最大級の売り場面積を誇る本店をオープン。なかでも10代後半~20代後半の女性を対象に、カジュアルやOL層向けなど計105の服飾専門店をそろえた「solaha(ソラハ)」は行列ができるほどの、絶好のスタートを切った。

   ところが、その「ソラハ」の不振が響き、本店の15年2月期の売上高の目標を下方修正する。開業から、わずか半年足らずでの軌道修正だが、前年度の923億円の1.5倍超という「強気」が裏目に出たともいわれる。

   どうやら、「消費増税」の影響を読み違えたようだ。3月は開業して間もないことに加えて、消費税増税前の駆け込み需要もあり、あべのハルカス前の旧店舗に比べて売上高が倍増したが、4月からはその勢いが鈍っていた。

   日本百貨店協会が2014年8月19日に発表した7月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比2.5%減となり、4月から4か月連続で前年実績を下回った。梅雨や台風などの天候不順の影響もあるが、消費増税に伴う駆け込み需要の反動が続いた。

   帝国データバンクによると、7月の景気DIは46.9。ところが、小売業に限ると37.3と、大きなマイナスだった。「4月以降、とくに高額商品の売れ行きがよくありません。そのため、百貨店には厳しい状況が続いています」と話す。

   さらに、「百貨店の共通の問題として、少子高齢化があります。人口の減少が最大の問題です」。たとえば、新たな買い手として期待される外国人旅行者も、地方の百貨店では思うよう取り込めないのが現実。「買い手不在」が地方の百貨店を閉店に追い込んでいる。

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