「デング熱」20人超、公園の外でも感染 不安の声広がり、相談電話5日で200件以上

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   厚生労働省は2014年9月1日、「デング熱」の国内感染者が新たに19人確認されたと発表した。感染者はこれまでと合わせて22人になった。

   デング熱は蚊が媒介する感染症で、熱帯や亜熱帯の地域で流行している。厚労省は冷静な対応を求めているが、感染拡大の不安を訴える声は少なくないようだ。

「王様のブランチ」レポーターも代々公で感染

都は渋谷門付近で蚊の駆除を行った(画像は代々木公園渋谷門)
都は渋谷門付近で蚊の駆除を行った(画像は代々木公園渋谷門)

   厚生労働省は8月27日、埼玉県在住の10代女性がデング熱に感染したと発表。海外渡航歴のない人で国内感染が確認されたのは約70年ぶりだった。

   翌日には、女性と同じ学校に通う埼玉県在住の20代女性1人と都内在住の20代男性1人の感染も発表された。3人は8月中に代々木公園(東京都渋谷区)を訪れて一緒にダンスの練習をしていたといい、その際にウイルスを持った蚊に刺されたとみられている。

   9月1日には厚労省が新たに19人の感染が確認されたと発表した。東京や神奈川、新潟など6都県の男女で、こちらも全員渡航歴はなく、8月中に代々木公園付近を訪れていたという。

   この19人には含まれていないようだが、同日には「王様のブランチ」(TBS系)でレポーターを務めている青木英李さん(25)と紗綾さん(20)の感染もTBSの「ひるおび!」内で伝えられた。

   2人は21日に同番組のロケで代々木公園を訪れていた。青木さんは21日のブログで、「今日のロケで…代々木公園で小学生ぶりに虫とりをしたよー」と報告し、虫取り網を持った写真をアップしていた。ノースリーブのトップスに膝丈のスカートというスタイルを見るに、虫よけ対策は徹底していなかったらしい。それから6日後に27日には「今日からプチ夏休みなのに…まさかの突如謎の高熱」と不調を訴え、39.8度を表示した体温計の写真もアップしていた。

   同じロケに参加していた紗綾さんも27日のブログで高熱が出ていると報告し、「すぐに喉が渇くし、水分が手放せません」と高熱に苦しむ様子を綴っていた。

「周辺に行った」または「周辺を通った」でもアウト

   デング熱は蚊が媒介する感染症であり、人から人へはうつらない。高熱や発疹などの症状が出るが、ほとんどの場合は1週間ほどで治るため、重症化するケースはまれだという。そのため厚労省は冷静な対応を求めている。

   都もデング熱対策に乗り出している。8月28日には、代々木公園内で殺虫剤を散布し、蚊の駆除を実施した。ウイルスを媒介したとみられるヒトスジシマカの一般的な行動範囲は半径50メートルほどと言われているため、都は最初の3人が蚊に刺されたとみられる渋谷門付近を中心に半径75メートルの範囲で行ったという。

   舛添要一都知事は8月29日の会見で、この駆除によってウイルスを持った蚊については「ほぼ死んだのだろうと思っていいと思います」との見方を示した。

   だが、それでも不安に思っている人は少なくない。都が28日に設置した専門の相談電話(03-5320-4179)には9月1日15時時点までに228件の相談が寄せられたという。

   担当者によると、相談内容は「蚊に刺されたが、大丈夫だろうか」といった感染への不安を訴えるものや、「近所に蚊が多く発生して困っている」「どうすれば駆除できるのか」「刺されないためにはどうすればいいのか」といったもの。

   なお、厚労省が発表した19人のうち4人は代々木公園に入ったわけではなく、「周辺に行った」または「周辺を通った」だけだという。このことからインターネット上には、

「代々木のデング熱騒動やばいな 公園の外でもアウトとか」
「公園の上空は消毒出来てないだろうからなぁ。パンデミックにならなきゃいいが…」

といった不安の声も出ている。

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