「そごうのドン」102歳の大往生 水島広雄氏、波瀾万丈、百貨店の浮沈を体現

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政財界に豊富な人脈

   「そごうのドン」「ワンマン経営者」「天皇」とも評されたが、政財界に人脈は豊富で、周囲に慕われる人格者でもあった。2012年4月、東京都内で開かれた100歳を祝う会は、海部俊樹元首相、塩川正十郎元財務相、スズキの鈴木修会長兼社長らが発起人として名を連ねた。会社経営の傍ら、教鞭をとった東洋大や中央大の関係者も数多く出席したという。

   水島氏が育て、そして破たんさせたそごうは2001年、西武百貨店と業務提携し、2003年にはミレニアムリテイリンググループが発足。2006年にはセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入った。多くの店舗は閉鎖され、現在はそごうとして横浜、千葉、神戸、広島など9店舗が残る。池袋本店、渋谷など西武の15店舗とともに、セブン&アイ傘下のそごう・西武が運営している。

   そごう破たんを機に、国内百貨店業界は再編が加速する。2007年には、大丸、松坂屋によるJ・フロントリテイリング、阪急百貨店と阪神百貨店によるエイチ・ツー・オー・リテイリングがそれぞれ誕生。2008年には三越と伊勢丹が経営統合し、三越伊勢丹ホールディングスが発足した。

   セゾングループを築き上げた堤清二氏が亡くなったのは昨年11月。戦後の百貨店業界の浮沈を体現した人物が、また一人、この世を去った。

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