なぜサッカー場でバナナを振りかざすのはダメなのか 相手をサルとみなした悪質な人種差別行為

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   JI横浜マリノスのサポーターが試合中に相手チームの選手に向けて「差別的行為」をおこなった問題で、Jリーグは2014年8月29日、クラブに制裁金500万円とけん責の処分を科した。

   問題となっているサポーターの行為は、選手に向けて果物のバナナを振りかざしたというものだ。

川崎サポが負けてる腹いせで言ってる感じ

   事件は、23日に横浜市のニッパツ三ツ沢球技場でおこなわれたサッカーJ1の横浜M-川崎フロンターレ戦で起きた。この日、横浜マリノスのサポーターが川崎のブラジル人選手に向けて右手でバナナを振りかざした。これがテレビ中継映像に写りこんでおり、ツイッターをはじめとするインターネット上で情報が拡散、「人種差別的だ」とする非難が持ち上がった。

   クラブは公式サイトに謝罪文を掲載し、当該サポーターへの処分を発表。さらに25日に嘉悦社長がJリーグの村井チェアマンに事情説明し、再発防止策を含む今後の対応についてはJリーグと協議のうえ進めることを確認して、29日に処分が下った。

   ネット上では事件について、「人間性を疑います。選手がショック受けてないといいです」「差別問題についてサッカー界がピリピリしてる今、こんなことで迷惑をかけて何がサポーターなのか」と憤る人がいる一方で、「人種差別とか言ってるけどマリサポの人はバナナをただ単に突き出してるだけだし。それを人種差別ってとらえてる川崎サポの方が人種差別でしょ 笑」「選手が映ってるシーンの裏に黄色い棒のような何かを持ってるマリノスサポーターが映り込んでる画像をあげて、川崎サポが『マリノスの人種差別!無観客しろ!』と負けてる腹いせで言ってる感じ。実際はわからん。 もしバナナだとして、君らいつも頭にバナナ付けたりしてるでしょ。差し入れかもよ」と、単にバナナを持っていることの何が問題なのかと独自の主張を展開する人もいる。

差別的行為をおこなったサポーターに対しての処罰を求める声も

   バナナはサルの大好物とされ、試合中にバナナをアフリカ系やアジア系の選手らに示す行為は、相手をサルとみなした悪質な人種差別行為とされる。

   1970年代からヨーロッパでも起き、サッカーにまつわる人種差別問題の一例として長く問題視されてきた。バナナを差し出すほかにサルの真似をするといった幼稚な行為も見られるという。最近では4月にスペイン1部リーグでブラジル人選手が投げ込まれたバナナを食べてから試合を続行し、大きな話題になったこともある。「差別を飲み込んだ」選手を称賛するため、バナナを食べる写真を投稿することが世界各国のサッカー関係者の間で広まり、一大キャンペーンとなった。

   一方で、投げ込んだ観客の身元は翌日までに特定され、クラブは「ピッチ内外で敬意、平等、スポーツマンシップ、フェアプレーを推進する」姿勢と、「暴力や差別など、その原則に反するいかなる行動も一切認めない」ことを再度強調した上で、シーズンチケット及びホームスタジアムへの生涯入場禁止という厳しい処分を科した。さらに、スペイン反暴力委員会によるさらなる罰則が科される可能性もあるという。

   そうした中で起きた今回の事件だ。日本のネット上でも、クラブだけではなく人種差別的行為をおこなったサポーターに対しての処罰をも求める声が出ている。

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