少なくとも3紙が朝日「釈明」記事を批判
翌8月29日には、少なくとも3紙がこの記事を批判し、完全に火に油を注いだ格好だ。
産経新聞は「また問題すり替え」という見出しの特集記事で「自社が積み重ねた誤報や歪曲報道を枝葉末節の問題へとすり替えたいのだと読み取れる」とした。読売新聞は、連載第2回の記事以外に「批判回避へ 論点すり替え」と題した特集記事を掲載。小見出しには「吉田証言 韓国・国連が依拠」と掲げ、朝日記事に真っ向から反論した。記事では、産経新聞が92年に吉田証言の信ぴょう性に疑問を投げかけた直後に朝日新聞が誤報を訂正し「強制連行」を否定していれば、
「国際社会に誤った認識が広まることを防げた可能性があると指摘する声は少なくない」
と主張した。
毎日新聞も朝日新聞の記事を取り上げたが、
「しかし、96年に国連人権委員会に提出された『クマラスワミ報告』は、強制連行の証拠として吉田氏の証言に言及し、日本政府に国家賠償を求めた。今回の記事はこうした事実には触れていない」
とも指摘しており、重要な論点に触れていないことについて読売新聞と同様の批判を展開している。