ハウステンボスを再生させたHIS沢田秀雄会長 愛知「ラグーナ蒲郡」を買収し、「次の一手」に挑む

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   エイチ・アイ・エス(HIS)の沢田秀雄会長が、テーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)再生の実績をもとに、次の一手を打ち出した。愛知県蒲郡市の複合レジャー施設「ラグーナ蒲郡」の再建だ。

   愛知県などの第3セクター「蒲郡海洋開発」からテーマパークなど3事業を5億円で買収。2014年8月1日に事業を始めたHIS全額出資の新会社「ラグーナテンボス」(東京)が、3事業を引き継ぎ、立て直しを図る。

三河地区のリゾート施設

ラグーナ蒲郡は「愛知のハウステンボス」となれるか(写真は長崎県のハウステンボス)
ラグーナ蒲郡は「愛知のハウステンボス」となれるか(写真は長崎県のハウステンボス)

   ラグーナテンボスには、これまでも「ラグーナ蒲郡」経営にかかわってきたトヨタ自動車が来年初めに出資し、発行済み株式の3分の1程度を保有する方針。地元巨大企業のバックアップを得て背水の陣で臨む。

   ここで簡単にラグーナ蒲郡について説明しておこう。静岡県寄りの愛知県東部、いわゆる三河地区の沿岸に1980年代末のバブル経済期に構想された。愛知県やトヨタなどが出資する第3セクター「蒲郡海洋開発」によるリゾート施設だ。

   1991年に開発に着手し、中核施設は海のテーマパーク「ラグナシア」。そう聞いただけでかなり危険な香りがするが、実際に経営は思わしくなかった。テーマパークはわずかに黒字転換することもあったが、赤字基調。埋め立ての造成費用などが重荷となり、第3セクターは2012年度末に78億円の債務超過に陥った。

   「観光の素人に事業継続は無理」と判断した愛知県やトヨタは、折しもハウステンボスの目覚ましい再建ぶりが注目されていた沢田会長に白羽の矢を立てた。

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