前年比20%増!「わたしの上司になって、代わりに謝って」
とはいえ、需要は少なくないようだ。
東京のある代行サービス業者は、「(謝罪代行は)8月は3件ほどありました」と話す。最近利用が増えていて、「今年は前年比20%増くらいです」と、急増している。
NHKの「あさイチ」に登場した謝罪代行業者の利用も、年間300件にものぼっていた。
前出の代行業者は、社長に成り代わり謝罪するケースが多いという。「社長も社員も自分一人で仕事しているという、自営業の利用が多いですね。たとえば、なにかトラブルが発生したときに、『わたしの上司として、代わりに謝ってもらえますか』といった依頼です」。
そんな依頼に、「部下が申し訳なく…」と、謝るそうだ。
また、消費者からのクレームに、「直接謝罪して、菓子折りを渡して商品を回収してほしい」との依頼もあるそうだ。
依頼があれば謝罪するが、「謝罪の仕方やノウハウをアドバイスすることもあります」と話す。
気になるのが、トラブルがこじれてしまったときだ。「あさイチ」でも、NHK解説委員の柳澤秀夫氏が「代理で謝っていることが相手にわかったら、とんでもないことになるよね」と、指摘していた。
この代行業者は、「たとえば身元を明かさない、こちらが聞いたことに答えられないといった、あやしい案件は受けません」と話し、依頼主との情報の共有、コミュニケーションを密にすることでトラブルを回避しているという。
ちなみに、この代行業者は謝罪のほかにも勤務先への休日の連絡代行、またお花見や花火見物の場所取りやコンサートのチケット取り、家事や力仕事などの代行サービスも行っている。