第2次安倍晋三内閣が発足600日を超え、2014年9月3日にも内閣改造が行われる予定だ。これに先がけ、朝日新聞が現職の閣僚たちを採点する「通信簿」を掲載した。
内閣改造前後にはこうした記事が出ることも珍しくないが、評価された大臣の一人が評価内容に異例の反論を行い、注目を集めている。沖縄・北方担当相の山本一太氏(56)だ。
内閣府記者クラブ登録日は14年7月4日
8月23日の朝日新聞朝刊には「閣僚通信簿 第2次安倍内閣」と題した閣僚18人の評価が載った。「各閣僚を間近で取材し続けてきた『番記者』が独自の視点で、通信簿をつけた」として、各担当記者が実名入りで星5点満点の採点と寸評を行っている。
最も評価が高かったのは星4個だった菅義偉官房長官。「内外問わず危機への情報収集力、対応力は卓越していた」「内閣を揺るがしかねない材料を敏感に察知し、つぶしていく。その姿は『モグラたたき』のようだった」などと評されている。最も評価が低かったのは星0.5個の石原伸晃環境相だった。
この評を各閣僚がどう受け取ったかは分からないが、唯一、表立って抗議しているのが沖縄・北方担当相の山本一太氏だ。「閣僚通信簿に異議あり!」として25日から26日にかけてブログ記事を計4本公開した。
山本氏の評は星2個で、18人の平均個数2.58個をやや下回る。だが問題としているのは星の数ではなく、「番記者」として評を書いた人物と、その評価内容だった。山本氏は自身の評を担当した蔭西晴子(かげにし・はるこ)記者について、ブログで次のように綴った。
「自分はこの蔭西晴子記者を知らない。名刺交換をしたこともなければ、言葉を交わした記憶もない。記者会見で質問を受けた憶えもない。会見によく出ている他の記者に聞いても、『顔が浮かばない』という」
山本氏が調べたところ、蔭西記者の名前が内閣府の記者クラブに登録されたのは今年の7月4日だった。加えて、7月4日以降開いた8回の会見中、「恐らく2回(?)しか顔を出していない」という。
山本氏は通信簿が「各閣僚を間近で取材し続けてきた『番記者』」とうたっていることを指摘し、
「内閣府の担当になって50日しか経っていない記者に、『大臣としての1年8ヶ月の仕事』を評価させるというのは、あまりにも手抜き(アンフェア)ではないだろうか?!」
と問題視した。