三重はほとんどが地元出身だった
今回の東北、北信越勢の代表校は、公立が富山商と山形中央。あとの6校は私立。選手の出身地をみると、公立校は地元出身者ばかり。私立では星稜がすべて地元出身者となっている。
残る5校は、いわば「多国籍軍」の様相である。野球どころの大阪、兵庫などの近畿、さらに神奈川、東京などの関東の各地から選手が集まっている。レギュラーの大半が県外出身者という高校もあった。いかに甲子園出場を目指す選手が多いかという証明だ。
その実態から思うに、やはり野球のレベルの高い地域から選手を集めることによって、甲子園の道が開けることが分かる。近畿や関東は中学生も多く、学校だけでなくクラブチームも多い。硬式球のチームも随分とある。優れた指導者からのコーチを受けやすい。
とりわけプロ野球経験者が関東以西に多く住んでいるから影響もある。またプロ野球の球団が小学生からの指導をアカデミーとして指導しているし、大会も開催している。このように小学生時代から本格指導の環境にいるのといないのでは、およそ2年半の短い高校野球では差が出る。
東北、北信越の健闘の裏側にはそのような実態があったことを確認しておきたい。ちなみに決勝で対戦した大阪桐蔭は福岡、広島などの出身者がいた。三重は同じ私立でありながらほとんど地元出身の選手だった。
(スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)