「もうちょっとミクが人間に近い曲にならないと」
「初音ミク」は歌声合成技術であるVOCALOIDの「火付け役」であり、いわば「代名詞」。2007年8月31日にリリースされると、初音ミクを用いた動画が動画投稿サイト「ニコニコ動画」に次々と公開された。当初は初音ミクにカバー曲を歌わせる動画が多かったが、しだいにユーザーが作詞・作曲したオリジナル曲が増え、さらには他のVOCALOIDキャラクターへと広がっていった。
VOCALOID作品の発表の場となったニコニコ動画にとっても、初音ミクは成長の原動力の一つだったといえ、インターネットには、
「ニコ動が落ち目なのが大きいな」
「PC離れで、ニコ動もあんまり見なくなったなあ」
といった声もある。
ただ、VOCALOIDが身近になったことから投稿数が増え、曲が分散し再生回数が伸びないといった指摘もある。VOCALOIDは「オワコン」とのつぶやきもあるが、ブームが峠を越えて人気が落ち着いてきたことで、突出した楽曲が出にくくなったのかもしれない。
一方、「OngaCRESTシンポジウム2014」を主催した「OngaCRESTプロジェクト」は、音楽の聴き方や創り方の未来を切り拓く技術・研究開発を行い、音楽の楽しみ方をより能動的で豊かにするのが目的。そのため、
「もうちょっとミクが人間に近い曲にならないと。いくらコンビニで流れても、電子音で気持ち悪いってなるわな」
「何年もミクやらせるのもいいけど、少しくらい違和感を消す努力もしろや」
と、技術の向上を促す、厳しいコメントもみられる。
(追記)J-CASTニュース編集部はクリプトン・フューチャー・メディアに取材を申し入れていたが、8月27日午後になって、「初音ミクを『終わったコンテンツ』とは認識しておりません」との回答があった。