難病支援のために氷水をかぶる「アイス・バケツ・チャレンジ」の爆発的なブームに陰りが見えてきた。
指名された人の辞退が相次ぎ、ついにはチャレンジした人の事故死まで起きてしまった。
崖から飛び降りて溺死
アイス・バケツ・チャレンジは筋肉の萎縮や筋力低下が起こる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の治療研究を支援することが目的のチャリティー運動だ。指名された人は支援団来に100ドルを寄付するか、バケツたっぷりの氷水を頭からかぶるかを選択しなければならない。
2014年夏ごろからアメリカで流行。世界中の著名人がチャレンジに参加し、フェイスブックなどのSNSで大ブームを巻き起こした。
しかし、チャレンジは過熱気味になっているのが現状だ。単にバケツの氷水をかぶるだけでは面白くないと考えたのか、放水車やショベルカーなどを利用した大がかりなものまで登場している。
エスカレートぶりには、
「悪ふざけして目立つためのイベントになりつつあるな」
「ALS患者云々関係なくて、ただバカ騒ぎに参加したいだけだろ」
と冷ややかな視線を送る人も目立ってきている。
そんな中、痛ましい事故が起きてしまった。8月21日、アメリカのケンタッキー州では撮影に参加した消防士4人が負傷した。CNNなどによると、キャンベルズビル大学の吹奏楽団がはしご車の先から氷水を浴びる動画を撮影した後、はしごが電線に近づき過ぎたため、消防士らが感電。うち1人は重体だという。
さらにイギリスのスコットランドでは24日、18歳の少年が崖から池に飛び込んで溺死した。デイリーニュースやテレグラフなど現地メディアによると、チャレンジの一環として飛び込みを行ったらしく、事実であれば初めての死者となる。
動画サイトを見ても、チャレンジに失敗した痛ましい動画が複数公開されている。2階や屋上などから氷水がいっぱいに入ったバケツを落としてしまい、下にいる人の頭部に直撃する衝撃的な様子だ。