医療費抑制が来年度予算の焦点に 「負担増」の「新聞情報」が乱れ飛ぶ

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各都道府県別に医療などに関する1年間の「支出目標」

   こうした政策案の中で、今年の最大のポイントが、各都道府県別に医療などに関する1年間の「支出目標」(上限額)を設定させるというものだ。安倍内閣はすでに6月に閣議決定した経済財政運営の基本方針である「骨太の方針」に盛り込み、2015年度にも導入する構えだ。

   なぜ都道府県別に目標を設けるのかというと、地域格差があるからだ。1人当たりの医療費が最も高い高知県は最も安い千葉県の1.5倍以上、75歳以上の高齢者医療に限ると、福岡県は岩手県の約1.6倍。格差を大きく左右するのが医療費の半分ほどを占める入院費だ。

   75歳未満の国民健康保険も含めた1人当たりの入院費でみると、最も多い高知県は、最も少ない千葉県の約2.1倍にもなる。

   入院費が高い地域はベッド数が過剰だとか、患者の入院日数が不必要に長いとみられるが、実際に目標数値をどのように決めるかとなると、簡単な話ではない。

   目標設定に当たっては、医療機関が請求するレセプト(医療費の内訳を記した診療報酬明細書)や特定健診などのデータがベースになる。加えてどの種類の病気で病院にかかっているか、平均入院日数、また価格の安い後発医薬品をどの程度使っているか、さらに高齢者数などの人口構成などの指標も使う。

   これらをもとに複数の市町村にまたがる地域単位で、救急やリハビリなど医療の役割別にどれほどのベッド数が必要かなど「妥当な医療費」を算出。医療費の低い地域を「標準集団」と位置づけ、都道府県が妥当な支出目標を決める――という。

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