代ゼミは不動産業で生き残る 遊休地でホテル、商業施設、貸会議室

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   全国27校舎の7割を閉鎖する方針が明らかになった大手予備校・代々木ゼミナールが、以前から旧校舎などを活用した不動産業を進めている。

   古くなった建物をホテルや会議室といった形態に改装しただけでなく、おしゃれな商業施設になったところまである。

京町屋をイメージしたホテルに

商業施設「代々木ヴィレッジ」ウェブサイト
商業施設「代々木ヴィレッジ」ウェブサイト

   たとえば札幌校の旧校舎は2013年11月から貸会議室大手のティーケーピー(東京・新宿区)に貸し出されている。同社が内部を改装して企業や個人ユーザー向けに、会議室や宴会場として利用できるようにした。同様に高層ビルの「本部校 代ゼミタワー」に校舎を移転してから、本部の古い校舎の一部が、空きスペース活用のため会議室として貸し出されている。

   ホテルに生まれ変わった校舎もある。京都校の別館が10年10月に「カンラ京都」(京都市・下京区)としてオープンした。コクヨグループのUDSが「不動産の有効活用」のコンサルティングや企画・設計、運営までを手掛ける。築20年の校舎を、京町屋をイメージしたデザインに一新した。

   京都駅近くの学生寮だった建物は11年4月に「ホテルアンテルーム京都」に改装された。ホテルとアパートが一体化した施設で、ギャラリー・朝食レストラン・バーを併設し、「京都のアート&カルチャーの今」を発信するというのがコンセプトだ。

   11年8月にはサザンオールスターズやMr.Childrenなどの音楽プロデューサーである小林武史さんを迎え、商業施設「代々木ヴィレッジ」をオープンした。代ゼミ本部校跡地の遊休地の活用を目的とした、5~10年の期間限定のプロジェクトで、小林さんが代表をつとめる「kurkku(クルック)」が企画運営を行っている。

   こうした転換に施設利用者も気づかないほどで、

「代々木ヴィレッジはもともと代ゼミ本部だったところなのね!」
「ホテルアンテルーム京都も代ゼミの関連施設だったとは知りませんでした」

などとツイッター上で驚く人も少なくない。

名古屋校新校舎の大部分がホテルに

   そして、現在建て替え中の名古屋本館の建物は、ビジネスホテル「名鉄イン」のフロアが大部分を占める予定だ。地上23階建てで延べ床面積は約1万3000平方メートル。低層には代ゼミの教室が入り、その上に名鉄インの部屋が作られる。イメージ図を見ると、19フロア相当が宿泊施設になっている。こうした校舎は初めてだという。

   今後予定する校舎の大量閉鎖で、建物はホテルや会議室に変わっていくのか。代ゼミの広報担当者は、「すべての校舎について未定です。2015年の募集を停止するということ以外決定していません」と答えた。

   また、人口減少による予備校の苦境を30年以上前から予測してあらかじめホテルに転換しやすい構造にしていたという噂がネット上で流れているが、「そんなことはまったくありません」と苦笑しながら否定した。

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