業績連動報酬で1億円以上もらう人「増える」
三菱電機で1億円以上の役員報酬をもらった人が18人にものぼったのは、2014年3月期の純利益で7年ぶりの最高益の更新を見込むなど、好調な業績が背景にある。加えて、それに連動する「業績連動報酬」が底上げに寄与したとみられている。
東京商工リサーチによると、14年3月期に1億円以上の役員報酬をもらった361人の総額は665億円で、前年と比べて157億円も増えた。
その内訳は、基本報酬が370億円(前年比56億増)、賞与が119億円(26億円増)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が91億円(52億円増)、ストックオプションが50億円(5億円増)だった。
業績連動報酬は25億円で、前年の9億円から16億円も増えた。同社は、「業績連動なので、業績が上がればプラスに働きます。(もらう人や金額が)増えることになります」と話す。
ただ、「役員報酬は賞与などでも増えますから、必ずしも『業績連動報酬だから増える』とはいえません」ともいう。業績連動報酬の場合、たとえば業績不振の事業はプラスに評価されない。そのため、責任を明確化する意味から賞与と区別して、業績連動報酬を取り入れる企業はある。
東京商工リサーチは、「基本報酬を主体とした報酬体系に変化はないが、一部で業績に連動した報酬体系に移行しつつあることもうかがえる」とし、今後、業績連動報酬を導入する企業が増えるとみている。