2020年の東京五輪に英語は必須
安倍首相は2014年4月、経済財政諮問会議と産業競争力会議で「女性の活躍推進の観点から外国人材の活用について検討してもらいたい」と表明。女性の就労機会を増やすため、家事などの分野で海外から外国人労働者を受け入れるよう検討を指示した。これを受け、2014年秋から国家戦略特区で外国人家政婦の受け入れを試験的に開始することになっている。
もちろん、最低賃金など労働環境整備のほか、受け入れが移民政策と誤解されないようにするなどクリアするべき課題は多い。外国人を家政婦として受け入れるべきでないとする慎重論も根強いが、フィリピン人は人件費の安さと英語力で注目されている。
東南アジアでは、英語も公用語になっているフィリピン人を英語講師として活用する動きは既に広がっている。フィリピンの講師と日本の受講生を無料のインターネット電話ソフト「Skype(スカイプ)」で結び、マンツーマンの英語レッスンをする「オンライン英会話」のスクールは、国内に100社から200社程度生まれているという。その一つ、ベンチャー企業「レアジョブ」は2007年に創業し、フィリピン人講師を現地に約3800人擁し、日本では業界最多の約24万人のユーザーがいるという。「東京オリンピックの開催決定で、ホテル、アパレルなどのサービス業はじめ英語熱が高まり、フィリピン人講師の需要は増えている」という。
日本からフィリピンの語学学校へ6か月間、無料で留学させるインターンシップを紹介するサービスも登場した。人材派遣・紹介のベンチャー企業「ネオキャリア」は、フィリピンに進出した日本企業のコールセンターで就業体験を行ってもらうことを条件に、セブ島にある語学学校に6か月間無料で通学できるサービスを7月から始めた。6か月間、自費で留学すれば、授業料、宿泊費などで最低でも60万円はかかるという。