アジアの中で英語のスキルが高く、人件費の安いフィリピンに対する注目度が高まっている。
日本企業がフィリピンに進出するのはもちろんのこと、フィリピン人を語学講師やハウスキーパー(家政婦)として日本国内に紹介するサービスが、国内のベンチャー企業から相次ぎ誕生している。
家事代行の規制も緩和
いずれも英語力に優れ、人件費が安いフィリピンの人材を活用する試みだ。安倍政権が2014年秋から国家戦略特区で、外国人家政婦の受け入れを規制緩和する動きを先取りするものだ。これまでもフィリピンは「出稼ぎ大国」として、安価な労働力を日本に提供してきたが、様々なサービスを通じて両国の相互依存が進む可能性がある。
近年、インターネットを利用し、フィリピンと日本を結ぶ新たなサービスが生まれていることは、あまり知られていない。育児や家事代行サービスをネットで紹介するベンチャー企業「ブランニュウスタイル」は、日本在住のフィリピン人などをハウスキーパーとして紹介するサイトを2014年7月に開設した。ハウスキーパーとして働きたい在日フィリピン人と、サービスを利用したい日本の共働き世帯などを結びつけるサービスだ。
法務省によると、現行の入国管理法令で外国人家事使用人(ハウスキーパー、家政婦)は外交官など外国人の個人的使用人としての雇用に限られ、日本人が外国人を使用人として雇うことは原則として認められていない。しかし、①日本に住み、永住権を取得している②配偶者が日本人③留学生で一定の許可を受けている――などの条件を満たせば、日本国内でハウスキーパーとして働くことができる。
ブランニュウスタイルはこれらに該当する外国人を紹介する。掃除、洗濯など家事代行の料金は1時間当たり1500円からと「業界最安値水準」(同社)。利用者からは「子供に英語を教えてもらいながら、フィリピン料理を作ってもらった。家にいながら異国文化に触れられ、楽しかった」などの声が寄せられているという。