「黒子のバスケ」被告の暗い「投げやり」人生 いじめ被害、人間関係なし、ワープア生活、実刑に「喜んでおります」

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   人気漫画「黒子のバスケ」を巡る連続脅迫事件で、威力業務妨害の罪に問われた渡辺博史被告に求刑通り懲役4年6か月の実刑判決が言い渡された。法定刑の上限いっぱいという厳しい内容だ。

   だが本人は「もう娑婆に出たい気持ちがない」「今回の判決に喜んでおります」と、むしろ満足な結果ととらえているようだ。インターネット上に公開されているこれまでの裁判での発言から、被告の人物像を探った。

小学校でのいじめ原因で30年に渡り自殺を思い続けた

東京地裁の実刑判決がそのまま確定するか
東京地裁の実刑判決がそのまま確定するか

   渡辺被告の判決は2014年8月21日、東京地裁であった。本人のコメントを、月刊「創」の篠田博之編集長が自身のヤフーの個人ブログで紹介している。篠田編集長は、被告本人とこれまで何度も接見を重ねてきた。

   実刑に不満どころか「喜び」を示し、むしろ4年6か月という期間で「一般予防の効果があると検察が本気で考えているのなら、それはお笑い草」と挑発的で、「黒子のバスケ」の作者や被害企業、作品のファンに対して謝罪の気持ちは一切ないと断言している。「事前に購入したお菓子でささやかな実刑判決のお祝いをします」とまで言ってのけた。これを受けて篠田編集長は、「やや意識的に偽悪的な、世の中の反発を敢えて喚起するような内容だった」と述べた。

   長期間にわたって、出版社や大学、書店などに執拗に脅迫状を送り続けた被告。逮捕時には警察に「負けました」と告げ、薄ら笑いを浮かべて連行される映像が流れた。いったいどんな人生を歩んできた男なのだろう。

   篠田編集長は、被告の冒頭陳述や最終意見陳述の全文も、ブログ上で閲覧できるよう公開している。3月13日の初公判では、本人が長文を用意してきたが時間の関係で全文は読まれなかったそうだ。最初に「すべての責任は自分にあります」と全面的に非を認め、そのうえで自分の身の上を語っている。「小学校に入学して間もなく自殺することを考えました。原因は学校でのいじめです」と告白し、以後30年にわたって自殺を思い続けたそうだ。「年収が200万円を超えたことは一度もありません。月収が20万円を超えたことも数回しかないです」と、ワーキングプア状態だったことも明かした。続けて「実刑判決を受けて刑務所での服役を終えて出所して、できるだけ人に迷惑をかけない方法で自殺します」と、あくまで死に対するこだわりを続けている。

   父を亡くし、母との関係はこじれ、恋人も友人もいない。失いたくない地位や人間関係は存在せず、命も惜しくないと絶望にあふれている。最後は、「こんなクソみたいな人生やってられるか!とっとと死なせろ!」と法廷内で吠えた。

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