安倍首相の災害対応中「静養」が大議論に 無責任なのか、指示すれば問題ないのか

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   広島で土石流被害が拡大する中で、安倍晋三首相が一時ゴルフをしたり別荘にとんぼ返りしたりしたことに、批判も出ている。一方で、的確な指示を出したのならば問題ないとの声もあり、賛否両論になっている。

   「11歳と2歳の男の子が生き埋めになっている」「77歳女性が土石流で流された」。集中豪雨が広島を襲った2014年8月20日の未明から、消防にはこんな通報が相次いだ。

被害報告後もゴルフをし、別荘にとんぼ返り

「静養」が賛否両論に
「静養」が賛否両論に

   被害報告はかなりの広範囲にわたり、広島市はこの日午前4時過ぎに、各地区への避難勧告を矢継ぎ早に出した。夜が明けてくると、その甚大な被害がベールを脱ぎ始める。そして、広島県では、市の要請を受けて、6時半に陸上自衛隊に災害派遣を求める事態になった。

   安倍晋三首相はこの日、夏休みで山梨県内の別荘で静養していた。報道によると、被害の状況は逐一報告を受けていたようで、県が自衛隊の派遣を求めた6時半には、被害の把握や被災者救助に取り組むよう関係省庁に指示を出した。

   その後、安倍首相は、別荘を出て、河口湖近くのゴルフ場に向かう。そこには、茂木敏充経産相や森喜朗元首相、日枝久フジテレビ会長らが来ており、午前8時ごろからプレーを始めた。ところが、さらに詳細な被害報告が入って、安倍首相は、1時間ほどでプレーを打ち切った。菅義偉官房長官から電話で求めがあり、かつてえひめ丸事故の苦い経験を味わった森元首相からもアドバイスされたと報じられている。

   首相官邸に駆けつけた安倍首相は、古屋圭司防災相らと対応を協議し、自衛隊増強や災害対策徹底などを指示した。これに対し、野党からは、被害報告を受けた後にゴルフをしていたことへの批判の声が次々に上がった。

   夕方には、死者が30人を超え、まだ不明者も多数いる大惨事の様相になった。ところが、安倍首相は、夜にはまた別荘に戻ってしまった。

天皇陛下は、静養を全面的に取り止め

   そのころ、広島では、夜を徹しての捜索活動が続き、翌日の2014年8月21日になっても、まだ不明者が多数いる状況だ。

   一方、安倍晋三首相は、この日の午前中も別荘で過ごした。午後には官邸に入り、災害対策会議を開くなど再び動き出したが、ネット上では、こうした対応に批判の声も相次いでいる。

   「ゴルフに執着は危機管理上ゆゆしき問題」「この程度はたいしたことないとか思ってんだろう」「こんな薄情な人間が日本の総理で良いのか」

   広島の土砂災害を受けて、天皇陛下が軽井沢などでの静養を全面的に取り止めたと宮内庁がこの日発表すると、安倍首相への風当たりもさらに厳しくなった。安倍首相は、過去にも鳥インフルエンザが発生したときにゴルフをしていたなどと何度か批判された経緯があり、危機管理能力について疑問視する向きもあるようだ。

   とはいえ、安倍首相の対応ぶりについては、逆に擁護する声も多い。

「セオリー通りの全く正しい行動にしか見えないのだが?」「首相出て来て現場が混乱するより良い」「官邸にいないことで何か救助活動に問題があったのか」

   トップは指示を出すべきときにきちんとやればいい、ということのようだ。

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