「漢奸の基礎が十分だな」
中国版ツイッターとも言われる「微博(ウェイボー)」で、日本への旅行を意味するハッシュタグ「#日本旅游#」で検索すると、この数日間だけでも日本に旅行したことを報告した書き込みをいくつか見つけることができる。
「富士山に行ってきた」「琵琶湖の花火を見た」「丸の内のカフェに入った」など、いたって淡々としたものが多い。
訪日外国人数で中国人が2年ぶりにトップに立ったことは、すぐに中国でも報じられた。人民日報(ウェブ版)が20日、日本経済新聞の記事を引用する形で簡潔に報じ、ほかのメディアも続いた。微博では記事をリツイートする人も少なくなく、中国人にとってもこのニュースのインパクトは大きかったようだ。
しかし、その受け止め方は一様ではない。親日的な人からはニュースを喜ぶ声が上がり、あるユーザーは「外国に行くなら日本に行きたい」と率直な感想を書き込んだ。同時にこの人が「反日的な人は豊かでなく、文化的でない」と中国内の対立をあおるような書き込みをすると、さっそく「漢奸(売国奴)の基礎が十分だな」と皮肉るコメントが書かれていた。
先の外相会談の後、王外相は「日本側から要請があった、非公式な接触」だったことをあくまで強調した。訪日観光客の増加が、日中間の関係改善を先取りする動きなのか、それとも一時的なものなのか。そのあたりを見極めるにはもう少し時間がかかりそうだ。