7月の訪日客数、中国人が2年ぶり首位に 日中「雪解け」が進んでいないのに、なぜ?

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   日本政府観光局が2014年8月20日に発表した、7月の訪日外国人客数は前年同期比26.6%増の126万9700人で、1か月としての過去最高を記録した。中でも中国からの伸びが目覚ましく、2年ぶりに国・地域別で最多となった。

   日中関係の悪化により落ち込んでいた中国人の訪日だが、「関係改善」の兆しがあるわけでもないのに、なぜ増えているのか。

前年同期比2倍以上の訪日客数

   7月に訪れた中国人は28万1200人。台湾(27万9300人)や韓国(25万600人)を抑えて、最も日本に訪れた外国人となった。昨年7月は13万9905人で2倍以上の伸び率ということになる。また、今年の5月(16万5800人)、6月(17万4900人)と比べても順調に増加していることが分かる。

   中国が国・地域別でトップに立ったのは2012年7月以来。当時は20万以上の人が日本を訪れていた。しかし、尖閣諸島の国有化をきっかけに中国各地で反日暴動が起こるなどして、日中関係は一気に冷え込んだ。以降は10万人を下回るなど、訪日中国人は減少の一途だった。

   最近になって訪日中国人が増加したのはどうしてか。直接的な理由としては、夏にかけて中国の春秋航空が天津や重慶と関西国際空港を結ぶ定期路線を開設したほか、チャーター便の就航、大型クルーズ船が計17便寄港したことなどが考えられる。

   また、政治面の関係改善も日中関係の雪解けを演出しているかもしれない。8月にミャンマーで行われたASEAN関連会合では、岸田文雄外相と王毅外相による外相会談が、安倍晋三・習近平両政権の発足後としては初めて実現した。

   そのほか、4月に舛添要一都知事が汪洋副首相と、7月に福田康夫元首相が訪れて習国家主席と、相次いで要人同士が会談している。

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