高校野球「大量リードで盗塁」、何が悪い 夏の甲子園に「大リーグ不文律」は意味なし

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10点差開いたところで最後まで一切手を抜かない

   今大会は予選から「大逆転」が何度も起きている。星稜(石川)は県大会決勝で、9回裏に8点差をひっくり返して甲子園の切符をつかんだ。対照的に藤代(茨城)は、大垣日大(岐阜)を相手に初回8点を先制しながら終盤に逆転され、甲子園を去った。「セーフティーリード」は存在しないといってもいいほどだ。

   自身も甲子園出場経験のある菅谷氏は、「監督はもちろん、選手たちもたとえ10点差開いたところで最後まで一切手を抜きません。貪欲に、必死で点を取りに行くのが当然なのです」と語気を強めた。実はツイッターやネット掲示板の書き込みも、健大高崎への批判は的外れだとの意見が圧倒的だった。負けたら「次」がない戦いのなか、ましてルールを破っているわけでもないのに「大リーグの不文律」など持ち込む理由がないという。

   実は「大量リードでの盗塁は記録から除外」とプロ野球が決めた2008年、アマチュア球界は同調しなかったと、2008年2月17日付の毎日新聞は報じている。個人記録を争うプロとは文化が違うためだ。特に高校野球は「最後まで全力プレー」が信条であり、ファンもそれを期待している。盗塁すれば得点チャンスが広がる場面であえて見送れば、「アマチュア精神」に反することになる。

   1試合の最多盗塁記録は1953年、土佐(高知)がマークした13盗塁、また大会記録は1921年までさかのぼり、和歌山中の29盗塁となる。健大高崎は2014年8月21日、3回戦第4試合で山形中央と対戦する。

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