高付加価値で利益率の高いヒット商品を生み出せるか
そんな白元は今後、アース製薬の子会社として、借金苦から逃れた身軽な体で再起をかける。しかしアース製薬との連携でシナジーを上げられるかは不透明だ。もともとアース製薬が白元の支援に名乗りを上げたのは「アースは殺虫、白元は防虫と得意分野が意外に異なっている」(同社)ことがある。アース・白元連合で態勢が大きくなれば、量販店に対する価格交渉力も高まる。さらに、技術的な連携で、新商品開発が進む可能性がある。
しかし、日用品業界は全般的にアース・白元連合の誕生を冷ややかに見つめている。「アース・白元連合ができても、業界の勢力図は大きく変わらない」(業界関係者)ためだ。例えば、防虫剤市場ではエステーがシェアの半分を握っており、アース・白元連合でもシェアは3割強でエステーには太刀打ちできない。
そもそも国内市場の縮小で日用品の売り上げの大幅増も見込めない状況だ。各社の関心は、高付加価値で利益率の高いヒット商品をいかに生み出し続けられるかであり、白元にとっても引き続き試練の時が待っている。