独立行政法人が「ゆるキャラ」で税金ムダ使い? 財務省が「予算執行調査」で厳しい指摘

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   「くまモン」に代表される「ゆるキャラ」に便乗する形で、全国の独立行政法人の多くがマスコットキャラクターを作製している。

   ところが、着ぐるみの稼働率が低いうえに年間100万円を超える維持費がかかるなど、私たちの税金が無駄に使われているケースが目立つことが、財務省の調べ(2014年度予算執行調査)でわかった。

一年間で19日しか稼働していない

物置に眠る「着ぐるみ」に税金がジャブジャブ…(写真はイメージ)
物置に眠る「着ぐるみ」に税金がジャブジャブ…(写真はイメージ)

   財務省は毎年、国家予算(税金)が適切に使われているか、各省庁や政府系機関などの予算執行を調べている。今回は独立行政法人98法人の935機関を対象に広報関係の経費の使い方について調べた。その結果、マスコットキャラクターを作製していたのは全体の約1割に当たる105機関にのぼり、ゆるキャラに当たる着ぐるみを所有していた機関も、実に28もあった。

   特に問題なのは、着ぐるみをはじめとするマスコットキャラクターのコストと使い方だ。財務省によると、28機関で作製された着ぐるみの平均単価は約59万円。中には1体で133万円を支出した機関もあった。年間稼働日数(2013年度)は平均で僅か19日。「年間5日の稼動で、維持管理費用が年間100万円を超えているものもあった」(主計局司計課)という。

   着ぐるみだけでなく、独立行政法人の受付やロビーなどに置く人形などは18機関が作製し、こちらの平均単価は約26万円。中には1体で138万円という高級品があったほか、「2体で38万円かけて作製したものの、イベントに4回展示しただけで、それ以外は倉庫に保管したままの人形もあった」(同)という。

   ゆるキャラや人形などマスコットキャラクターを所有する105機関に対し、導入経緯を尋ねたところ、ほとんどは作製目的があいまいだった。「大半は『広報一般のため』といった理由にとどまっていた。中には『他の独立行政法人も導入しているから』といった回答もあった」というから、あきれるばかりだ。

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