韓国財閥系大手企業、軒並み大苦戦 サムスン、ポスコ、現代自動車…ウォン高に中国の猛追

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2007年以降、急激な円高で苦しんだ日本と同じ姿

   業績不振に苦しむ韓国企業はまだある。固定電話・ブロードバンド最大手、韓国通信(KT)の2014年4~6月期決算は、固定電話の利用の落ち込みと外貨建て債務関連の損失が響き、30%もの減益。純利益は1605億ウォン(約145億円)だった。

   オンラインゲームのNHNエンターテインメント(旧ハンゲーム)は、営業損益で73億ウォン(約7億2000万円)の赤字に転落した。赤字は2000年代初めにネイバーのゲーム事業部としてハンゲームが発足して以降、初めて。売上高も前年同期比21.3%減の1198億ウォンにとどまった。

   朝鮮日報オンライン(2014年8月8日付)は、「1~2年前に年間数千億ウォン(数百億円)の営業利益を上げていた企業が瞬く間に赤字企業に転落した」と報じている。

   好調なのは、いまや世界2位のテレビメーカーのLG電子くらい。サッカーワールドカップの開催がテレビの購入を後押ししたほか、スマートフォンの新機種「G3」の需要が拡大したため、4~6月期決算はほぼ3倍の増益だった。

   そもそも、韓国企業の「急所」は海外への依存度が大きいことにある。財閥企業も売上高の約半分を海外で稼いでいるだけに、ウォン高は大打撃だ。

   ウォン相場は2013年に主要通貨に対して大幅に上昇。それまでの下落基調が反転し、14年4~6月期の対ドル相場は前年同期に比べて8%以上も上昇し、足もとでは6年ぶり高値圏で推移している。対ドルで「3ケタ」が目前に迫っている。

   第一生命経済研究所主任エコノミストの西濱徹氏は、「いまの韓国は、いわばサブプライムローン以降(2007年)の、急激な円高に見舞われた日本と同じ状況にあるといえます」と話す。

   加えて、中国企業をはじめとした新興国の生産力が上がって、低価格の商品が次々に出回ってきたことがある。これも日本の薄型テレビや自動車が一時、韓国製に追いやられたのと同じだ。

   ウォン高を理由に、韓国企業は国内から海外に生産拠点を移そうという動きが出てきているが、一方で労働組合などによる反発が根強く、海外移転も思うように進められないようだ。

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