韓国企業の2014年4~6月期の業績が、総崩れといった感じの酷い様相を呈している。
スマートフォンのサムスン電子や鉄鋼のポスコ、現代自動車――。どれも韓国を代表する財閥系企業だが、減収減益や赤字に見舞われている。
サムスン電子の大幅減益を「ギャラクシー・ショック」
韓国メディアは、サムスン電子の大幅減益を、「ギャラクシー・ショック」と呼んでいるそうだ。同社の4~6月期決算によると、本業のもうけを示す営業利益は前年同期に比べて24.6%減の7兆1900億ウォン(約7200億円)と大幅減益。売上高も8.9%減の52兆3500億ウォンだった。減収、営業減益は9年ぶり。
韓国の聯合ニュースによると、収益の柱である高価格帯のスマートフォン市場の成長が鈍化し、中国メーカーの安価な製品との競争が激化していることや、最近のウォン高の影響としている。
サムスンの4~6月期のスマホ出荷台数は7430万台(米調査会社のIDC試算)。最新機種「ギャラクシーS5」を発売したものの、当初の市場予想の9000万台には届かなかった。
一方、鉄鋼最大手のポスコは、売上高が16兆7036億ウォン(約1兆6570億円)、本業のもうけを示す営業利益が8391億ウォンで、前年同期に比べてともに7.1%減少した。
自動車最大手の現代自動車の純利益は2兆3500億ウォン(約2320億円)。前年同期に比べて6.9%の減益だ。営業利益は13%減の2兆900億ウォン。売上高は1.9%減の22兆7500億ウォンだった。
米国市場のシェア回復を目指した販売奨励金の増加が重荷となったとされる。現代自動車は「先進国の景気回復ペースが予想を下回り、ウォンの上昇基調も続いていることから、ビジネス環境は今後数四半期、さらに悪化する」との予想を示した。
韓国勢が席巻していた造船業も、最大手の現代重工業が1兆1037億ウォン(1103億円)の営業赤字となった。韓国の船舶受注量は急減。14年1~6月の造船受注量は前年より約3割も減って中国に抜かれた。6月単月では日本にも抜かれて3位に落ち込んだ。