「遊び心で使っている」と考える専門家も
「こいつ何様?」
「老害発見」
「ええ大人が夢抱く球児に向ける発言ちゃうやろ?」
などといった非難とともに、西嶋投手の超スローボールはコントロールを伴った投球技術だ、とか、人と違うことをするのがどうして世の中を舐めることになるのか、頑張っている高校球児を貶めるような発言は許せない、などといった苦情が殺到した。岩佐さんはこれに対し、
「ウへ、恐ろしい。袋叩きに遭ってる。攻撃してるわけじゃなくて、こういうのはやだねえ・・・と、感想を述べてるだけなんだが。」
と弁解したもののネット上でもなかなか騒ぎは収まらなかった。
専門家は西嶋投手のピッチングをどう見ているのだろうか。元朝日新聞記者で高校野球のテレビ解説経験も豊富なスポーツジャーナリストの岡田忠さんは、
「私は甲子園大会を30数年以上取材してきましたが、あのようなふざけた球を投げるピッチャーを初めて見ましたよ」
と打ち明ける。「ふざけている」というのは、スローボールを投げるフォームをバッターに見せてそのままスローボールを投げていること。スローボールというのは、普通、早いストレートを投げるフォームから繰り出すから威力を発揮する。だから西嶋投手の超スローボールは本来ならば「武器にはならない」ものだという。だから、バッターとの間を外すためだったり、余裕があることを見せつけるパフォーマンスだろうとし、
「遊び心で使っていると思いますから、それを深読みしたり、分析しようとしても意味がないことだと思います」
と分析している。