震災の追悼式でも「脱原発」発言が問題に
伊吹氏をめぐっては、14年3月11日に行われた「東日本大震災3周年追悼式」の「追悼の辞」で、
「震災で得た教訓をもとに、エネルギー政策のあり方について現実社会を混乱させることなく、将来の脱原発を見据えて議論を尽くしてまいりたい」
と述べ、原発を主要電源のひとつと位置づける政府・自民党の方針と矛盾するとして問題になったことがある。
一方、安倍晋三首相は、式辞では、
「歳月がいかに流れても、私たちには変えてはならない道がある。今日は、その平和への誓いを新たにする日。私たちは歴史に謙虚に向き合い、その教訓を深く胸に刻みながら、今に生きる世代、そして明日を生きる世代のために国の未来を切り開いていく」
と述べるにとどめ、憲法や集団的自衛権には触れなかった。
参列者のうち約4610人が遺族で、そのうち6割にあたる約3000人が戦没者の子どもだ。参列した遺族の約5%にあたる約250人は孫だった。遺族が高齢化し、世代交代が進んでいることを反映している。