ドラえもん新作映画の「独自設定」に賛否 セワシの考えに反する言動とるとドラえもんの体内に強烈電流

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   「ドラえもん」シリーズ初の3DCGアニメーション映画「STAND BY ME ドラえもん」が話題を呼んでいる。2014年8月8日の公開から3日間で興行収入は約9億8825万円、観客動員は約72万6700人と好調な滑り出しだ。

   そうした中、インターネット上では今作だけの「独自設定」に注目が集まっている。実はドラえもんの体内には、のび太の孫の孫セワシの意向に反する言動を取ると強烈な電流が流れるプログラムが組み込まれているというのだ。

「未来に帰りたい」でたちまち黒こげに

独自設定に注目が集まる「STAND BY ME ドラえもん」(画像は映画公式サイトのスクリーンショット)
独自設定に注目が集まる「STAND BY ME ドラえもん」(画像は映画公式サイトのスクリーンショット)

   今作は「のび太の結婚前夜」や「さようなら、ドラえもん」といった原作の名エピソードをもとに、ドラえもんとのび太の出会いから別れを一つの物語として描いている。

   何をやっても失敗ばかりの小学生のび太のもとへ、22世紀からのび太の孫の孫セワシとネコ型ロボットのドラえもんがやってくる。セワシは、のび太の残した莫大な借金が子孫たちを困らせていることから、のび太の悲惨な未来を変えようと考え、ドラえもんを世話係として連れてきた。

   ここまでは原作と一緒だが、ドラえもんはのび太の世話係に乗り気でなく、首を縦に振らない。すると、セワシはのび太を幸せにするまで22世紀に帰れなくする「成し遂げプログラム」をドラえもんにセットした。

   いやいやながらものび太と暮らし始めたドラえもんだったが次第に打ち解け、のび太の幸せ=しずかちゃんとの結婚をともに目指すことになる、という筋書きだ。

   そして今、ネット上で関心を集めている独自設定というのが、この「成し遂げプログラム」だ。これは目標を達成しないと22世紀に戻れないというだけでなく、ドラえもんがセワシの意向に反した言動――たとえば「未来に帰りたい」などと言えば、たちまちプログラムが作動。ドラえもんの体内に電流が流れ、反省を促す仕組みになっている。

   実際、電流は相当強烈のようだ。最初に作動した際は部屋を駆け回って目を白黒させ、黒焦げ気味になってしまうほどだった。作中ではドラえもんも「ひどいプログラムをセットしたもんだ...」と恨み節を口にしている。

「舞台装置としてうまい」「ドラえもんは奴隷じゃない」

   「サンケイビズ」Webサイトで8日に公開された記事で、電流についてなど、これが詳しく紹介されていたこともあり、まだ映画を見ていない人たちの間でも話題になった。

   インターネット上には鑑賞者を含む人々からさまざまな意見があがっている。

「この設定があるから短い時間でも上手くまとめられたと思う」
「なくてもいいっちゃいいんだけど、有無を言わさずドラえもんとの別れの場面に切り替えられるので、舞台装置としてうまいこと使えましたね」
「子供にとってストーリーの展開が分かりやすいし、意外とこういう効果は子供心くすぐると思うけど」

などと評価する声が多数出ている一方、

「ドラえもんは奴隷じゃないし、そういう設定が入ったらあの『安心して未来に帰れないんだ』の名台詞の意味がガラッと変わっちゃわないか」
「ドラえもんを『友達』というポジションから引きずり下ろす悪魔みたいな設定を見た気がする」

といった批判的な意見も少なくない。設定への意見や鑑賞者の受け取り方はさまざまなようだ。

   なお、「成し遂げプログラム」の狙いについて、八木竜一さんとともに共同監督を務めた山崎貴さんは

「ドラえもんの葛藤がしっかりと描けるし、のび太との出会いと別れを効果的に表現できる。最初はドラえもんがのび太と一緒に暮らすことを嫌がり、友情を育んだ後半はのび太と別れたくないのに未来へ帰らねばならなくなる。便利な装置でしょう」

と「サンケイビズ」内の記事で説明していた。

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