高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
GDP大幅減「想定内」のごまかし いつの時点の予測なのかが問題だ

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消費税増税の影響でも同様の「想定内」

   これだけならほほえましい光景かもしれない。しかし、「想定内」を連発するエコノミストの多くは、消費税増税でも経済に対する影響は軽微であるといってきた。昨2013年8月の政府のヒアリングでも、消費税の影響は軽微とするエコノミストが多数出席した。そして、彼らの1年前の予測は、たしかに軽微な影響であったが、今回はその「想定外」で、結果として間違っていた。しかし、1年前の予測は修正され、今は「想定内」ということで、あたかも1年前の予測が当たっているかのように誤解されている。

   7-9月期はどうか。ものすごく落ちた後は、少しは上がるものだ。これを市場では、「死んだネコでも放れば弾む」(Dead Cat Bounce)という。

   甘利明・経済財政相が、7-9月期GDP見通しについて「かなり上昇するのは間違いない」と語ったと報道されている。まさか、「死んだネコでも放れば弾む」を期待しているのだろうか。

   「死んだネコ」の話には続きがある。リバウンドは少しで、その後も下がるのだ。ちょっとばかり上がった隙に、消費税増税を決めたら、将来に禍根を残すだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)など。


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