マツダがターンパイクの命名権取得 「走り」への意思表示か、新型車に期待高まる

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   マツダはこのほど、神奈川県小田原市から箱根町を経由し湯河原町に続く首都圏屈指のドライブコース「箱根ターンパイク」のネーミングライツ(命名権)を、運営会社の箱根ターンパイク株式会社から取得した。

   この道路は東洋ゴム工業が2007年にネーミングライツを初めて取得し、これまで「TOYO TIRESターンパイク」として親しまれたが、2014年8月1日から「マツダ ターンパイク箱根」に生まれ変わった。

2代続けて自動車関連メーカーの名

走りの「聖地」にマツダの名が(写真は箱根ターンパークを走るアクセラ)
走りの「聖地」にマツダの名が(写真は箱根ターンパークを走るアクセラ)

   これは単なる名称変更にとどまらない。マツダは新型車開発のキーワードに「走る歓び」を掲げており、ネーミングライツの取得は、マツダの「走り」に対する本気度を表しているからだ。

   ネーミングライツの取得は、味の素スタジアム(調布市)、日産スタジアム(横浜市)などが有名だが、日本の有料道路では、大阪のタイヤメーカーである東洋ゴム工業のターンパイクが初めてだった。後継にマツダが選ばれたことで、ターンパイクは2代続けて自動車関連メーカーの名を冠することになった。取得額などは明らかにされていない。

   今回のネーミングライツ取得について、マツダは「スカイアクティブ技術によって『走る歓び』と『優れた環境・安全性能』を提供するマツダと、富士山を望む美しい自然環境の中で快適で安全な観光コースを提供する箱根ターンパイクの想いが一致したことで実現した」とコメントしている。今後は新型車の試乗や「魂動デザイン」の展示など、「お客様にマツダを身近に感じてもらえる様々なイベントを行う」という。

   自動車メーカーがターンパイクのネーミングライツを取得するには理由がある。それはターンパイクがモーターファンにとって、走りの「聖地」であり、そこに自社の名を冠することは、メーカーにとって大きなイメージアップにつながると判断しているのだ。

公道テストのコースとしても使用

   箱根ターンパイクは1965年のオープン以降、戦後の高度成長とともに日本のモータリゼーションに大いに貢献してきた。小田原から箱根・大観山(標高約1000メートル)まで一気に駆け上がるコースは日本屈指の中高速コーナーが続き、ダイナミックなドライビングが楽しめる。かつて黎明期の自動車メーカーは、ターンパイクで登坂力や耐久性の試験を行い、ターンパイクをストレスなく走れることが高性能の証だった。

   このため今も自動車メーカーが公道テストのコースとして使用するほか、「カーグラフィック」はじめ自動車雑誌やテレビ番組の撮影にも頻繁に登場する。試乗レポートなどで、「撮影協力 箱根ターンパイク」などのクレジットを見たことがある人は多いだろう。

   今回のマツダのネーミングライツ取得は、マツダの今後の新車開発を占う点で重要な意味をもつ。かつてマツダの走りの象徴だったロータリーエンジンが消えた今、マツダの中でターンパイクを走るのにふさわしいスポーツカーはロードスターしかない。マツダは次期ロードスターにもスカイアクティブ技術を搭載し、走りと燃費性能を両立させる方針だ。これから登場する新型ロードスター、新型デミオなどは、ターンパイクを意識したスポーティーなクルマとなるのは間違いない。

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