消費者金融アイフルがスポンサーになっている「2014年フィギュアスケートグランプリシリーズ中国大会」キャンペーンの中身がすごいと論議を呼んでいる。選手や審判といった関係者が参加するパーティー「バンケット」に、キャンペーン応募者の中から2人を招待すると告知しているからだ。
実はこの騒ぎ、今回のキャンペーンを巡るアイフルとフィギュアファンとのバトルの第二ラウンドでもある。第一ラウンドでファンは、キャンペーンの企業宣伝が直接的すぎると、応募方法を変更させ、「告知」からフィギュア選手の名前を削除させていた。
選手を消費者金融の広告塔にするなんてありえない
アイフルの今回のキャンペーンは実に豪華なものだ。上海2泊3日の旅に27組54人を招待し、往復航空券、ホテル宿泊送迎付きで、14年11月7日から9日まで行われる男子と女子ショートプログラム、フリー、エキシビションをVIP席、アリーナ席前列といったファン垂涎の「プレミアムチケット」で見ることができる。出場予定選手としてソチ冬季オリンピック金メダルの羽生結弦選手や村上佳菜子選手といった名前が並んだ。応募は14年9月15日までで、告知が7月上旬に出ると、一部のファンが噛み付くことになった。
問題になったのは応募条件。アイフルカードローンを新規契約し、5万円以上の借り入れをした場合と明記していることに対して、「選手を客引きの道具に使うな!」「広告塔にするなんてありえない」「健全なイメージが壊れる」などとフィギュアファンの一部に大反発、ネットではアイフル、日本スケート連盟、政府機関に広告を取り下げるための抗議をしようという呼びかけが起こった。
アイフルとしては「一般懸賞としてなんら問題はない」と判断していたが、「より幅広い方々に応募の機会を提供すべき」として、アイフルと取引のない人でも応募できるオープン懸賞にし、告知から選手名を削除することにした。ファンたちは、「アイフルにも良識というものがあった」などと勝利宣言し、これで丸く収まるかと思えたが、また別の問題が一部のファンの中でくすぶっていた。それが、選手や審判などの関係者が参加するパーティー「バンケット」に応募者の中から2人を招待するという話だった。
日本共産党の新聞「しんぶん赤旗」の14年8月10日付けのウェブ版は、「アイフルがフィギュアスケート界『私物化』選手・関係者パーティーにファン招待 協賛社の資質に疑問」という見出しを掲げ、こんな記事を書いた。新規契約して5万円以上の借入という応募条件を撤回したばかりなのに、新たな問題が浮上した。それは選手・関係者しか入れないパーティーに、ファンを招待するというものでアイフルにはファンから「非常識」という意見が寄せられている、というもの。確かにネットには「アマチュアスポーツ支援の一線を越える行為と思う」「日本選手は試合以外の場所で関係ない人にじろじろ見られたり日本語であれこれささやかれるのはストレスになる」
といった批判も出ている。
「騒いでるのは外野。もうアホとしか言いようがない」
アイフルは今回の騒動についてどう考えているのだろうか。まず、キャンペーンへの応募方法や、「バンケット」出席に関する問い合わせはいずれも10数件あったが、日本スケート連盟や行政からは何もなかったと同社広報は説明した。「バンケット」への出席に関しても、
「協賛企業である弊社に代理店からご提案を頂き、代理店より主催者側に承認を頂いたものです」
として、なんら問題はないとしている。
今回の騒動についてネットでは、消費者金融がフィギュアスケートのスポンサーになっていることに違和感を持つ人もいないわけではないが、
「スポンサーだし何が問題なの?いや問題あるわけが無い。バカなファンが理不尽にもだだこねてるだけ」
「0大金を払ってるスポンサー企業が選手を呼んでパーティーにお得意様などを招待する当たり前だろ」
「批判があったという以前のキャンペーンも問題があるようには思えない。しかも騒いでるのは外野。もうアホとしか言いようがない」
などと、キャンペーンに関して騒いでいる一部のフィギュアファンがおかしいのではないかという意見も目立っている。