危険ドラッグについて、和歌山県が購入客に誓約書を書かせる制度を採り入れたところ、県内からショップが撤退していたことが分かった。この制度は兵庫県も導入予定で、今後は、他の都道府県などにも広がりそうだ。
「こりゃ撤退するわな。上手いアイディアだ」「こんな手があったとは――!」
和歌山県の制度が効果を上げていることが報じられると、ネット上では、こんな賞賛の声が上がった。
購入客に誓約書を書かせる手法で効果
この制度では、ネットの口コミ情報を参考にしながら、県が危険ドラッグの疑いがあるものをピックアップし、それを元に知事が監視製品を指定していく。数か月から半年はかかるとされる成分分析まで踏み込まないのが特徴だ。2013年4月に薬物濫用防止条例を施行して、制度を新設した。
監視ドラッグを県内の店舗で売る業者は、販売業の届け出をし、購入者には、使用説明書を配るとともに、誓約書も書いてもらう。誓約書は、吸引や体内摂取をしないことを約束する内容だ。業者は、仕入れ記録も作成し、それは誓約書とともに3年間保存しなければならない。
さらに、購入者は、県外の店舗やネットの通信販売で買った場合も、誓約書も兼ねた購入等届出書を保健所などに提出する義務がある。
条例に違反すれば、業者や購入者は、県から警告を受け、従わなければ、それぞれ20万円以下、5万円以下の罰金を科される。
県の薬務課によると、条例施行後の13年4月に、監視ドラッグを扱う業者が1店舗を開店させたが、県の指導もあって、14年3月末に業者は撤退した。その後は、従業員が店舗を引き継いだが、4月上旬には店を閉じた。それ以降は、現在まで監視ドラッグを売る店はないという。
この成果について、担当者は「店舗側に違反はありませんでしたが、誓約書を書かせるなどの煩わしさが嫌われたこともあるのでは。制度を導入した効果はあったと思います」と話す。ネット上でも、「和歌山への発送不可」とする業者が現れたとしている。