中国で女優・タレントとして人気がある壇蜜さんや蒼井そらさんが、「インターネットから消えた」と、ネットで話題になっている。
中国政府が「成人向け」サイトやAV女優、タレントへの取り締まりを強化しているようなのだ。
過去の出演作品やドラマの描写から、締め出し対象に…
中国政府は2014年4月以降、全国規模で成人向けサイトの取り締まりを強化している。公安部や国家インターネット情報弁公室などの4つの国家機関が、「掃黄打非・浄網行動2014」と銘打った、成人向けサイトの違法画像の取り締まりキャンペーンを実施した。
その結果、たとえば北京市では管轄下にあるサイトから4万584件の低俗情報と241のアカウントを、4月16日までに削除したとされる。
中国情報サイトのRecord China(8月10日付)は、中国で大人気の壇蜜さんや蒼井そらさんといった女性タレントがインターネット上から次々に姿を消しているのは、中国政府がその取り締まりキャンペーンを再開、強化したため、と報じた。台湾の自由時報が伝えたとしている。
中国の検索サービス大手、百度(Baidu)が運営する「中国版2ちゃんねる」では、AV女優・タレントとして活躍する蒼井そらさんやエロチシズムを感じさせるトークが人気の壇蜜さん、さらにAV作品に出演し、中国で人気急上昇中の波多野結衣さんや沖田杏梨さんといったAV女優の掲示板が強制的に封鎖されているという。
J-CASTニュースで確認したところ、「蒼井そら」で画像検索すると、「法律・政策に則って表示できません」とのメッセージが表示されて、閲覧できない状態が続いている。少なくとも百度については削除されていることが確実で、他のサイトもこれと同じ措置が取られたようだ。
蒼井そらさんの場合、4月にAV作品に出演する女優や男優の中国版ツイッターのアカウントが相次いで削除されたなかでも、そのまま続行されていた。中国での人気の高さや、最近はAV女優というよりもマルチタレントとして活躍していたこともあり、「締め出し」を免れていた。
しかし、今回の取り締まりでは「過去の出演作品やドラマの描写から、締め出しの対象に包括されたのだろう」とみられている。
「性による侵略が市民の怒りを招いた」?
中国は、もともとヌードが禁じられている国だから、過剰な性描写があるようなAV作品への規制強化は、考えられるシナリオだ。ただ、「なぜ今」という疑問はある。
インターネットでは、中国政府の対応を訝る向きがある。
「民衆を抑えられるのかね。エロを見たい衝動は抑えられないwww」
「エロを規制すると後が怖いぞ。人間の煩悩を甘くみない方がいい」
「戦争前はエロ規制に動くんだよな。いろいろきな臭くなってきた」
「そもそもエロを封じて何がやりたいんだ? そっちのほうが国民に不満たまって良くないんじゃないの」
といった具合だ。
中国では2014年8月2日に、大連市で開かれた成人向けグッズ展示会「大連国際成人展」にゲスト出演した日本人AV女優の北川杏樹さんと丘咲エミリさんに、卵やペットボトルが投げつけられる騒ぎがあったばかり。
性を売りモノにする女性を好ましく思わない人がいることもまた確かで、中国の環球網は、「旧日本軍による占領で屈辱を受けた大連市民の深い心の傷は今も癒えていない。性による侵略が市民の怒りを招いた」と報じている。
その一方で、日本のAV女優などが中国のツイッターで公式アカウントをつくって情報を発信するケースは増えている。
中国で大人気の蒼井そらさんは、その先駆者ともいえる存在で、中国ではタレントであるとともに影響力のある、文化人的なポジションを獲得している。「第2の蒼井そら」を目指して、中国進出を狙っているAV女優は少なくない。