メディアは「気違い」の付く語は避けるが「言葉狩り」批判も根強い
広辞苑の第6版によると「気違い」「気狂い」という単語は、「(1)精神状態が正常でないこと。狂気。乱心。また、その人。狂人。(2)ある物事に熱中して心を奪われること。また、その人。『競馬―』」と定義されている。それ以外に、「気違いに刃物」や、酒のことを指す「気違い水」といった関連語句も8つ列挙されている。
一般的に新聞やテレビでは「気違い」は不快用語にあたるとして基本的には登場しない。例えば共同通信社の記者ハンドブックでは「精神障害者」と言い換えることになっており、関連語句についても、
「『気違い沙汰、気違いじみたこと』など『気違い』の付く語は避け、『異常な振る舞い・行動、とんでもないこと』その他、記事の内容に応じ別の表現を工夫する。『○○キチ』は使わない」
ときわめて抑制的だ。このこともあって、07年に麻生太郎外相(当時)が
「酒は『きちがい水』だとか何とか皆言うもんだから…」
と述べたことが問題視されたこともある。ただし、これらのメディアの方針については、「単なる言葉狩り」だとの批判も根強い。