O157の原因食品「基本的に特定できるケースは少ない」
静岡市保健所は、「感染経路は特定できていませんが、患者は『冷やしキュウリ』を食べており、いずれもO157が検出されています」と話している。
野菜からO157に感染するケースは多いのだろうか――。厚生労働省によると、「基本的に食材を特定できるケースは少なく、むずかしいといえます。なので、一概に(野菜が)多いということはできません」という。
というのも、「多くの場合、提供されている食事から発生するので、どの食材が直接の原因になったということがむずかしいんです」と説明する。
今回の静岡市のケースは原因食品が「冷やしキュウリ」とわかっている。しかし、2014年1月以降(7月18日付まで)に全国で発生した食中毒は、343件あるが、このうち原因となる食品がわかっているのは約23%(78件)しかない。
そこに共通していることは、食材にはフグやカキ、鶏ささみなどが多く、刺身などと生で食されているケースが多いことくらいだ。
厚労省はホームページで、野菜のO157を除菌するには、「湯がき(100度湯で5秒間程度)が有効である」と指摘している。
野菜については、
(1)新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管するなど保存に気をつける。
(2)ブロッコリーやカリフラワーなどの形が複雑なものは、熱湯で湯がく。
(3)レタスなどの葉菜類は、一枚ずつはがして流水で十分に洗う。
(4)キュウリやトマト、りんごなどの果実もよく洗い、皮をむいて食べる。
ことを勧めているほか、「食品用の洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤を使ったり、食材を加熱処理したりすることで、殺菌効果はより高まります」としている。