尖閣諸島(沖縄県)の領有権を強く主張する中国が、「外堀」を埋めて日本に圧力をかけようと動いている。ターゲットは日本の同盟国、米国だ。
いわゆる従軍慰安婦問題をはじめ、日本の戦争責任を追及し続ける在米中国人団体が、積極的なロビー活動で地元の米有力議員と連携。さらには将来が有望視される若手政治家を巻き込んで「尖閣は中国領」の主張を強めている。
記事の見出しが尖閣ではなく「釣魚島」の英語表記
「釣魚島(尖閣諸島の中国側の呼称)問題が、米中関係を強固にする機会となる」
米紙サンノゼ・マーキュリーニュースは2013年2月15日、こう題した寄稿を掲載した。3人の共同執筆で、うちひとりの氏名はロー・カンナとなっている。インド系米国人で現在37歳、カリフォルニア州第17選挙区の民主党下院議員候補のひとり。第1次オバマ政権で商務省副次官補を務めた、党期待のホープだ。記事の見出しが尖閣ではなく中国が主張する「釣魚島」の英語表記を用いており、中身も「中国寄り」と思われる記述が目に入る。
尖閣問題では米政府に「注意深く態度を決めねばならない」と注文をつけ、続けて「米国が味方につくと日本が信じて中国を誤った方向に向かわせてはならないし、我が国が公正な解決法を模索していることを中国に疑わせてもいけない」と強調。さらに、中国の尖閣領有権に関する歴史的な主張に関しては「法や航海上の記録に基づいて、もっと考慮すべきだ」と指摘している。