「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(10)
国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい
「琉球独立論」松島泰勝氏に聞く

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武力の強化という方向はゆるめるべき

―― 松島さんの琉球独立論では、「米軍基地が残った形での独立はありえない」と位置づけています。そうなると在沖米軍は岩国や硫黄島が引き受けることになり、対中戦略の大幅な見直しが迫られそうです。

松島: 日本政府は日中関係を力の均衡による「積極的平和主義」で乗り切ろうとしているように見えます。これが続けば、「日本が核兵器を持つ」という議論にもつながりかねません。日本が本当に日中関係の改善や東アジアの平和を願うのであれば、武力の強化という方向はゆるめるべきです。今の状態は集団的自衛権の実現、憲法解釈の変更など、武力、戦争を前提に、抑止力に基づいた「平和」に大きくかじを切りすぎています。中国も海洋大国を目指しており、同様の傾向です。お互いがしのぎを削っていては、両国の緊張は解けません。しかも、琉球は日中がしのぎをけずった結果、最も犠牲になりやすい場所です。そうならないための独立が必要です。
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