「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(10)
国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい
「琉球独立論」松島泰勝氏に聞く

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偶発的な衝突で被害を受けるのは琉球人

―― 尖閣諸島については、日本政府は「領土問題は存在しない」という立場です。

松島: 尖閣の状態を再び「棚上げ」にすることを日本政府が検討するのであれば琉球人の考え方も変わるでしょうが、その可能性は皆無といっていい。そうであれば、琉球の人の生活や財産を守る方法として、独立する選択肢も真剣に考え、行動する必要があります。独立した方が「島を東アジア共有の財産にする」「東アジアを平和な空間にする」といった構想が実現しやすくなると考えています。今の状況では、日本も中国も台湾も「自分のもの」と主張するでしょうし、相手に軍事的影響力を及ぼして、実効支配をしようとしている。その時に偶発的な衝突が起こったときに被害を受けるのは琉球人なので、そうならないような発想が必要です。

―― 仮に独立しない場合、現行の沖縄県としてはどういったことが可能でしょうか。「一番まし」なシナリオはどうなりますか。

松島: 「元の状態に戻して島については争点にしない」というあたりで日中合意できるのが望ましいと思います。棚上げして、みんなのもの、「コモンズ」にする。
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