中継ではデスクのチェックもなく、勝手に自分で喋っている
―― フェニックステレビも、中国政府の意向を慮るということはないのですか。あるいは「問題になりそうなのでやめておこう」といった有形無形の圧力を感じることはありませんか。
リー: 少なくとも私はありません。香港との生中継では誰からも何も言われません。デスクのチェックもなく、勝手に自分で喋っています。日本の一部メディアのように、事前に原稿を送って許可をもらわないと話せない、ということはありません。
―― 日本のメディアは中国政府が何を考えているかよく分からないので、「フェニックステレビなら少しは中国政府の意図を把握しているかもしれない」と思っている節があります。
リー: 彼らがこのように書きたがることは、よく分かります。すぐに関連づけて、読者や視聴者に分かりやすいシナリオを組み立てる。それでは色眼鏡で物事を見ているに過ぎません。少なくとも私たちは香港の会社ですし、東京からの報道は客観的、中立的になるように心がけています。例えば、いわゆる従軍慰安婦をめぐる問題では、「謝罪は十分」とする政治家と「不十分」だという政治家の両方がいることを報じています。強制性の有無について意見が分かれていることについても、それぞれの立場の政治家に取材して報じています。中国政府寄りだと言われるのは非常に心外です。