牛肉高騰、豪州産で36%、米国産で28%も上昇
人件費とともに頭の痛いのが食材である牛肉などの高騰だ。ゼンショーは、「主要食材である牛肉の価格が、中国などの需要拡大によって世界的に高騰し続けています。2012年3月期と比べて、14年4~6月の牛丼用部位の平均価格は豪州産で36%、米国産で28%も上昇しました(価格は仕入れベース)」と、説明している。
消費者にとって「安い」ことはうれしいが、「すき家」といえども、こうした人件費や材料費のコストアップを、価格に転嫁せざるを得なくなった。
とはいえ、すき家の牛丼(並盛)の「291円」は、吉野家、松屋の3社の中では最安値だ。
牛丼といえば、「旨い」「早い」「安い」がコンセプトだったが、どうやら「安い」時代が終わりつつあるのかもしれない。
ライバルの一角、松屋フーズの緑川源治社長は2014年7月17日の「プレミアム牛めし」の発表会で「380円は決して高くない」と断言した。
同社は牛肉へのこだわり、チルド牛肉を使用した「別次元の旨さ」の「プレミアム牛めし」を、7月22日に発売。それ伴い、従来の「牛めし」(290円)の販売を終了する。つまり、事実上の値上げを意味している。吉野家(300円)を、80円上回る価格での販売だ。
吉野家は、最近はファミリー層の獲得に注力。「牛ねぎ玉丼」「牛カルビ丼」などを投入したり、セット販売や定食を充実したりしながら客単価を上げている。
ちなみに、吉野家も松屋も、深夜アルバイトの時給は1375円程度(新宿駅周辺の店舗)で、すき家とあまり変わらなくなっている。