人気漫画「ハイスコアガール」(押切蓮介氏作)でゲームキャラを無断使用したとして、発行元のスクウェア・エニックスが、著作権法違反の疑いで大阪府警の家宅捜索を受けた。本来は著作権を守るべき大手ゲーム会社で、なぜこんなことになってしまったのか。
ハイスコアガールは、格闘ゲームがブームとなった1990年代を舞台に、ゲーム好き主人公の矢口ハルオがゲームの強いお嬢さまの大野晶とともに繰り広げるラブコメディーだ。
「捜査中のため詳細の公表は控える」
漫画誌「月刊ビッグガンガン」などで2010年から連載され、単行本は現在まで5巻が出ている。累計で110万部が発行され、13年12月にはアニメ化も発表された。
作品の中では、いくつものゲームキャラが出てきている。ところが、報道によると、計100か所以上も出てくる格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ」「サムライスピリッツ」のキャラについては、著作権者のゲーム会社「SNKプレイモア」から許諾を得ていなかったというのだ。
しかし、単行本の巻末には、コピーライト表示でSNKプレイモアと表記されていた。
アニメ化に当たって、映像製作会社が13年夏、SNK側にキャラなどの使用許諾について問い合わせて、今回の問題が発覚した。SNKの発表によると、スクエニ側に、重大な違法行為だと抗議して、ハイスコアガール関連の販売即時停止を再三求めた。しかし、「なんら誠意ある対応がなされませんでした」として、スクエニと出版部門の関係者を大阪府警に刑事告訴した。報道によると、告訴したのは14年5月だという。
同じゲーム会社なのに、なぜキャラ使用に許諾を求めたりしなかったのか。
スクエニの広報室に取材すると、すぐには回答が得られなかった。ホームページでは、府警に全面協力しており、捜査中のため詳細の公表は控えるとしている。