「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(5)
中国空軍はなぜ危険行為を仕掛けるのか 自衛隊機に異常接近繰り返す背景
元駐中国防衛駐在官・小原凡司氏に聞く

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再発防止には交流を深める必要

―― 危険行為が称賛されてしまうとすれば、再発しそうですね。

小原 現場での経験はもちろん必要ですが、それを待っていたのでは衝突事案が再発しかねないので、その前に交流を深める必要があります。米国と中国には軍事海洋協議協定(MMCA)という合意があって、ワークショップを年に1~2回行っています。参加するのは現役の制服の中佐、少佐クラスの現場で直接指揮を執るクラスです。ワークショップでは「海上でいかにして衝突を避けるか」といった技術的な議論が行われます。
   最初は「結局は政治の話になるので、話がかみ合わない」という声もあったのですが、政治分野の議論をする場を別に設けて、技術面の話に集中できる場をつくる、といった工夫もあったようです。これは非常に効果的なことでした。ごく最近になって、ここに空軍も含める方針が検討されています。米空軍と中国空軍は今は話はかみ合わないでしょうが、すでにある程度の経験を積んでいる米海軍と中国海軍の議論の中に入ってくるということは可能です。時間はかかりますが、そうした交流の場を増やすことが重要です。
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