伊藤園の大ヒット商品「お~いお茶」のネーミングが、インターネットで話題になっている。
というのも、「お~いお茶」の響きが「男尊女卑的では」という声が一部から出て、それに対する反発も強いからだ。
「余談」のはずなのに、ネットが異常に反応して…
きっかけは、シリコンバレー在住の経営コンサルタント、海部美知さんが日経ビジネスオンライン(2014年7月30日付)に寄せた「シリコンバレーに戻ってきた日本企業たち」の記事。そこでは、7月に発表されたジェトロ・サンフランシスコの日系企業実態調査で、日系企業が2000年の680社を上回って719社となり過去最高となったと伝え、ソフトバンクによる米スプリント社の買収や、「お~いお茶」を販売する伊藤園についても現地での営業努力のようすを紹介している。
その中で、記事の内容とはまったく関係のない、海部さんが「余談」としてこぼした、「あの『おーいお茶』という男尊女卑的な響きのある商品名は何とかならないのか、と思うのだが…」という、カッコ書きのつぶやきにインターネットが反応。どうやら、「男尊女卑的な響き」の一言に違和感を覚えたようだ。
「言いがかりも甚だしいwww 」
「被害妄想すぎる。もう、すべてが気に入らないんだろうなw」
「そもそも『おーい!』って女の人でも普通に使うだろ」
「そんなこと考えもつかなかったわ… いつも差別のことで頭がいっぱいなんだね」
といった反論があふれている。
これに、海部さんもツイッターで、
「なんか久しぶりにこういう人たちが湧いてきたなぁ。ww」
「・・ええ?で今私の記事がアクセストップなわけ?まぁいいや。きっかけが何であれ、お読みいただきありがとうございます」
などとコメントしている。
「そのような意図はありませんし、問い合わせなどもありません」
伊藤園の「お~いお茶」は1989年2月、それまでの「煎茶」として販売していた商品を、新たな「ブランド」として売り出すために付けられたネーミングで、もう25年にもなる、超ロングセラー商品。
たしかに、かつては会社で女性社員が「お茶汲み」などと呼ばれ、お茶を煎れるのが当たり前だとされていたことがあるし、それを女性差別と指摘する向きもあった。ただ、最近はかなり改善されていて、来訪者にお茶を出すのも男性社員の場合が少なくなくなっている。
そんな事情もあってか、インターネットでも、
「女を召使扱いしているって言いたいんだろ?」
「まあ言いたい事はわかったが…」
「一概に間違っているとも思わないけど…」
と、海部美知さんの言い分に理解を示す声がまったくないわけではない。
伊藤園は、「その(男尊女卑の)ような意図はまったくありませんし、これまでに(商品名を変更してほしいといった)要望や問い合わせはありません」と話している。
ちなみに、「お~いお茶」は米国でもそのままのネーミング、文体(ロゴマーク)で販売している。同社は「昨今のクールジャパンの流れもあります」と説明する。
「お~いお茶」を含む日本茶・健康茶飲料の販売状況は、国内売上高で6月(単月ベース)は前年比0.2%増、数量で同3.2%増。累計(5~6月)でも、売上高が1.6%増、数量で4.2%増と、好調に推移している。